高度成長下の人生観
産業社会、すなわち、一人当たりGDPの持続的成長が前提となる社会では、手段的行為の比率が高まっていく。
第二次世界大戦後の日本は、再び復興、成長への道を進んだ。吉田茂~岸信介までの政権は、経済重視・軽武装というレールを敷き、その後の政権はレールに乗って見事に経済成長をなしとげた。
日本人の多くも安定したレールの上を生きることを望んだ。ホワイトカラーの例で言えば、大学を出て会社に就職、がむしゃらに働いて結婚、中年になるころには管理職に昇進・マイホームを購入、そして定年まで働き、老後は年金で悠々自適の生活。といったような生き方が日本人の人生のストーリーの典型となった。
それらのストーリーは、年齢を増すにつれて明らかに生活水準が向上するということで現実感を日本人に与えた。そして、誰もそのこと自体を当然と思うようになっていった。
日本の会社をはじめとする産業組織もそれにぴったりと適合するものだった。終身雇用、年功序列、企業別組合など、共通の利益を目標とする組織としての会社は、人々の人生と不即不離の関係になった。手段的行為の最も発展した形態が、戦後日本の社会と言えるであろう。
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